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山梨県視覚障害を考える会 

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障がい者と防災~やがて来る災害に備えて~

 

山梨県総務部防災危機管理課 城野 仁志

 

1 今年2月の豪雪災害を経験して

 ○ 道路や線路の除雪に時間がかかり、一時的に全県的な孤立状態が生じた。

 ○ 孤立状態が長引いたことによる問題

  ・ 医療・介護(例:病院に行けない、薬がない、当事者の支援に行けない、等)

  ・ 食糧の不足(普段からの備蓄(水と食糧→最低3日分、できれば1週間分)が大切)

  など

  ※ 大規模な停電や水道の断水、電話の不通、家屋の倒壊などが生じなかったのは幸いでした。
→ やがて来る大地震(東海地震等)では、それらが全て起きる可能性が大きい。

 

 ○ 「自助」(各自の備え)、「共助」(地域の支え合い)、「公助」の全ての充実が大切!

 

2 山梨県で、これから起こり得る災害とは?

 ○大地震:

  ・南海トラフ巨大地震(東海、東南海、南海の各・大地震の連動があり得る)

   → プレート境界型の地震(周期:百年前後)。近い将来、必ず起きる地震

   → 国の被害想定(H24.8)(最悪のケースでの想定死者数):全国で約32万人(その多 
    くが津波による被害)、山梨県で約4百人(主に家屋の倒壊等による)

   → 適切な対策を講じることで、大幅に減らせる

  ・直下型の大地震

   → 糸魚川・静岡構造線(断層帯)地震、釜無川断層地震、曽根丘陵断層地震、等

 

 ○風水害:

  ・大型台風の襲来、梅雨末期などの集中豪雨等

   → 土砂災害や洪水災害の危険地域に住んでいる方は、特に要注意

   → 各市町村で作成している「ハザード・マップ」等を参考に、地域で、災害の危険が  
    迫ったとき※の対処方法、要配慮者の支援方法を話し合っておくことが大切

    (※例:お住まいの市町村に「土砂災害警戒情報」が発令された時

      近くの主要河川の水位が「はんらん注意水位」や「避難判断水位」を超えた時)

 

 ○富士山の噴火

  ・富士山は活火山。宝永の大噴火(1707年)から約3百年経過。現在、兆候はないが、

いつ噴火しても、おかしくない。大地震が引き金となって噴火するか?

 など

3 やがて来る災害への備え

1)一緒に考えてみましょう!

  ○もし、自宅で(一人でいるときに)大地震が起きたら、どうしますか?

 

   ①とっさに、身の安全を守る(丈夫な机の下にもぐり、脚をつかむ、等)

   ②揺れがおさまったら、火の始末を!(※ブレーカーの電気も、一旦切りたい。)

   ③(同居人の安全確認!)、脱出口の確保!

(※履き物と白杖は、いつも手元(足元、枕元)に。できれば、携帯電話も)

 

   ④隣近所に助けを求める(→どうやって!)

    <対策の例>

    ・ 普段から自治会や組の集まりに出て、顔を覚えてもらう。できれば、自分の障がいの特性や、いざという時の支援のしかたも、理解してもらう。

災害が起きたら、地域の誰かに駆けつけてもらえるよう依頼する。

特に、「向こう三軒両隣」とのつながりは大切(組単位の共助が基本)

 

    ・ 普段から、市町村の「災害時要援護者制度」に、当事者として登録しておく

     ※ 地域の組の人や自治会の集まりで依頼して、地域支援者を複数確保する。

      役場に申請し登録する際に、自分の情報を民生委員だけでなく、できれば、自治会や消防団の役員、支援団体にも提供してよい旨を伝える。

 

※ 昨年の災害対策基本法の改正を踏まえ、市町村は「避難行動要支援者名簿」

の作成が義務づけられた。ふだんから、役所内や消防署などに備え付ける。さらに、本人から情報提供の了解を得た地域の関係者(自治会役員等)には、役場が本人の名簿情報を近く提供する予定(※早ければ、今年中)

 

     ※ 自分でも、その写しを折りたたんだものを、透明なカード入れ(定期入れ)などに入れて、肌身離さず持ち歩く。(※本人が気を失った時等にも役立つ)

 また、信頼できる知り合いや支援者、かかりつけの病院等に、その写しを配り、緊急時の支援を依頼する。

 

     ※ 災害が起きて、市町村役場が本人の生命を守るために必要と判断した場合は、本人の了解を得なくても、その地域の「避難行動要支援者名簿」を自治会長や消防団長等に配ることが可能となった。(昨年の法改正により)

       但し、ふだんから「名簿」が身近な地域にないと、いざというときに活用できない。

       このため、本人から同意を得ていない人も含む「名簿」を、役場が厳重に封をした封筒に入れて自治会長等に渡しておき、災害が起きたときに開封する仕組みを導入している市町村もある。(※安否確認や救助が終われば、返却)

 

     ※ 携帯電話のメール機能を活用する。(近所の数名に「助けて」メールを発信)

 

    ・ 毎年行う地域の防災訓練で、要援護者(自分を含む)を訪ねて安否確認し、安全な場所に避難誘導する取り組みを、訓練のメニューに入れてもらう。

 

    ・ 役場に申請して「あんしん情報キット」※(本人の急病時等の支援情報を書いたカードをプラスチックの筒ケースに入れたもの)を手に入れ、自宅の冷蔵庫に入れておき、119番通報等で救急隊員などが支援に駆けつけたときに、支援者が確認できるようにしておく

     (※県内市町村に徐々に普及中。実施している市町村の多くは、災害時要援護者登録とセット)

 

    ⑤家族や支援者への連絡方法

→大地震のために、電話がつながりにくくなっていたら、どうするか?

(対処方法の例)

    ・NTT電話→災害用伝言ダイヤル「171」で、「助けて」等の伝言登録を

    ・携帯電話 →「災害用伝言板」サービスで、「助けて」等の伝言登録を

    ・自治会の役員等にお願いして、防災行政無線(双方型)等で役場に連絡を

 

 

2)日ごろからの備え

  ア.防災情報の入手のしかた

   ・携帯電話(らくらくフォン、等)からの情報入手が役に立つ

    →「山梨県災害情報メール」(別紙チラシ)への登録をお勧めします

    ※市町村の登録制メール配信システム(防災・安全等)への登録もお勧め

 

    ※市町村が「避難勧告」等を出すとき→「緊急速報メール」等で一斉配信

     (携帯電話は、いつも肌身離さず持っていたい。寝るときも枕元に!)

 

   ・ラジオ(予備の電池も)

→ 手回し式で発電でき携帯電話にも充電ができるものや、地デジTV音声が聞ける機種もお勧め

 

  イ.水や食糧の備蓄

・ 飲み水や食糧は、少なくとも3日分、できれば、1週間分の備蓄を!

   ・ ふだん食べない乾パンなどより、保存がきくレトルト(真空パック入り)食品

     や乾燥食品(コーンフレークなどのシリアル食品)、缶詰(肉・魚類、野菜類、

     果物類)などをまとめて買っておき、使いまわす方法をお勧め!

   ・ 飲み水や調理用の水は、一人一日・約3リットル×(できれば)1週間分

   ・ 風呂には、常にきれいな水を入れておきたい。(生活用水や消火に役立つ)

 

  ウ.非常持ち出し品、及び持ち出し袋の準備

    背中に背負えるナップザック等に、白杖、携帯電話、携帯ラジオ、予備用の電池、要援護者台帳の写し、現金、常備薬、飲料ボトル、非常食(カロリーメイト等)等を

 

  エ.家具の固定、耐震診断の実施(特に、昭和56年以前に建てた旧耐震の家屋)

   → 耐震性の低い老朽木造家屋の場合、耐震改修や耐震シェルターの設置など

 

 3)視覚障がい者にもやさしい避難所づくりのために

  <課題>

   ・ 市町村の多くの指定避難所(例:小中学校の体育館や公民館など)では、障がい者や高齢者、女性等に対する配慮や準備、訓練が、まだ不十分

   (要配慮事項)

    ※例①:視覚障がい者の居住スペースは、できるだけトイレの近くに配置

        応急の案内設備(例:床に(点字ブロックの代わりに)ロープを置き、布製のガムテープで上から貼りつける、等)でトイレまで誘導する。

 

    ※例②:避難所で、要援護者を支援するスタッフを必ず配置する

        または、専門の支援スタッフが来るまでは、避難所運営委員会(自治会役員、施設管理者(学校等)、市町村職員(避難所担当)などで組織)

        協議のうえ、避難者の中から適任者を支援者として選び、依頼する。

 

  <解決策の例(たたき台)>

   ・ モデル地域(例:山梨ライトハウスや県立盲学校の近くの指定避難所である甲
府市立池田小学校と、その学区の地域、等)
で、毎年行っている避難所の開設・運営訓練(※今年は、甲府市内の各地区で8月31日(日曜)に実施予定)などで、視覚障がい者にも配慮した避難所づくりの訓練を行うよう、提案する

 

    → その企画会議に、視覚障がい者やその支援者の代表も参加して、提案を行う。

 

    → 当日の訓練には、多くの関係者やマスコミ等に見に来てもらう。

      さらに、会場において、障がいのある人に配慮したサポートの仕方について、

     ミニ体験講習会を繰り返して行い、多くの人に(視覚障がい者を含む)要援護者支援のノウハウを体験してもらう。

     ※学校等の協力を得て、多くの児童生徒に体験してもらうことが望ましい。

 

    → こうした取り組みを参考として、毎年、各地域で行う避難所運営訓練で、要援護者に配慮した快適な避難所づくりのノウハウを、多くの人々に体験してもらうことが望ましい。

 

   ※ 昨年6月の災害対策基本法・改正を踏まえ、国(内閣府等)は、災害時に、地域の関係者が円滑に指定避難所を開設・運営できるよう、日ごろから、できれば

    年に1度は、自治会役員や施設管理者、市町村担当職員等が一堂に会して、避難所の運営方法や役割分担を話し合うことを勧めている。(→避難所運営準備委員会)

 

    (確認事項の例)

・ 学校等が開いていないとき、最初に誰が鍵を開けるのか?

 (→近隣の自治会長等が、スペアキーを預かっておくことが望ましい)

・ 誰が受付をするのか?

 (→担当職員や施設管理者だけでなく、自治会の役員もできるよう準備する)

 

・ 避難者が体育館の中などにバラバラに入らず、地域ごとの居住エリアに

整然と住まうことができるようにするには?

(→梱包用ロープやガムテープなどで、居住エリアと通路エリアを区分、等)

     ・ 障がい者や高齢者、女性(特に乳児を抱えた方)に配慮したスペースと

      環境づくり

      (→福祉避難所スペースとして設営。できれば、支援スタッフも配置、等)

     等々

 

 4)自治会、または学校区単位での「災害図上訓練」の勧め(県でもモデル地区を支援)

  <課題>

   ・ 地域の防災対策の基本は、そこに住む人々の多くが、そこに起こりうる災害の

    具体的なイメージを生き生きと共有できるようになること

   ・ そのうえで、地域に災害が起きたとき、又はその危険がせまったときに、各自 
    や家族、自治会の役員などが、具体的にどのような行動を取り協力し合えばよい 
    のかを、みんなで集まって、年に1度くらいは話し合っておくことが重要

 

  <対応案の例>

   ①地域の自主防災マップづくり

    ・ 地域の一軒一軒が分かる地図(例:ゼンリン等の住宅地図(縮尺:1/1500等)
    のコピー(A3判でコピーしたものを、自治会単位等で貼りあわせる)
、または

    インターネットのグーグルマップ(又はヤフーマップ)航空写真版を活用し(PCのプリントスクリーン機能でコピーしてエクセルシート等に重ね合わせて)、自治会単位の大型・航空写真地図(カラー・新聞紙大~模造紙大位)を作る。

(※データをUSBメモリ等に入れ、コンビニの複合コピー機で「ポスター(拡大)印刷」機能を使うと、大きなカラー写真地図を作れる)

 

    ・ 役場から、当地域のハザードマップ(地震、洪水、土砂災害、富士山噴火、    
     等)を入手し、上記の地図に災害危険エリアを書き入れる。

      合わせて、災害対策に役立つ施設や資機材、人材がいる(ある)ところを、

     (種類別の)識別マーク(色別丸シール、又は防災マップ用シール(県防災危機管理課でも印刷用データを提供可能)等で表示、等

      さらに、災害時に支援が必要な要援護者宅などの個人情報も、透明シートの

     うえから記入(※必要な時に、地図の上から被せて、位置を確認、等)

 

   ②(上記の地図を用いた)災害図上訓練の実施と、多くの住民等への参加呼びかけ

    ・ 皆で地図を囲みながら、地域に災害が起きたときの具体的な対処や協力の仕方を話し合い、役割分担や手順などを決めておくことが望ましい。

 

     ※災害の想定例:

①震度6強の地震が起こり、地域の約2割の住家が壊れて住めなくなった。地域の約20人に1人が怪我をして、応急手当が必要になった。

 地域の要援護者(障がい者や一人暮らしの高齢者、等)の安否確認や救出、安全な場所への避難誘導などが必要になった。等々

 

②集中豪雨が起こり、土砂災害の危険地域に甲府地方気象台が「土砂災害警戒情報」を発令した。または、洪水危険地域の近くの河川の水位が、「はんらん注意水位」や「避難判断水位」に達して、なお水位が上昇している。等

 (※これらの情報は、先述の「山梨県災害情報メール」等により、手元の

   携帯電話で(メール配信により)確認可能。市町村の防災行政無線の放送を、電話で確認できるサービスも多くの市町村で導入している。)

 

    ※ 県では、今年度からの新規事業「自主防災組織・強化支援事業」(平成26年~28年度の3か年)で、全ての市町村から2地域ずつモデル地域を選んでいただき、そこに、専門家(防災アドバイザー)や県職員等を派遣して、上記の取り組みを支援するモデル事業を実施する予定です。

 

(まとめ)

      こうした取り組みを通じて、地域の多くの関係者が“地域の災害イメージ”を共有して、災害時に自らが果たすべき役割を自覚し、さらに定期的に防災訓練などで確認し、要援護者にも配慮した災害対応のしかたを身につけていけるよう、さらに、日ごろからの防災の備えや、地域の要援護者に対する見守り、声かけ、緊急時の支援などに生かしていけるよう、県としても、市町村等と連携して、県下各地の支援に鋭意取り組んでいきたい、と願っています